メイキング・おぶ・ばなぁ

ネタがないので私のCGイラストの描き方を書いてみます。

CG描きに使っている環境は FM-Towns II MX340 + TownsOS V2.1L51 で、ソフトウェアは「乙女座」を中心としたフリーウェア群です。 今はどこを向いても Photoshop や Painter ですが、こういう描き方もあるよって感じで見て下さいな(^^;;


題材は右にあるように バナーNo.2 です。


1.ラフを描く

ラフ まず、ラフを描きます。 バナーに使うのでこのページのマスコットキャラクタの「ミューレ」を描く事にしようとざざっとラフをシャープペンで紙に描く。 バナーに使うので上下は切れてしまうことになるだろうけど、取り敢えず描く。 あ、そうするとミューレの特徴である頭頂の妖怪アンテナ(笑)が隠れちゃうなぁ(笑)。 つーかそもそも顔だけになっちゃうなぁ(爆)。

このサンプルのラフは結構すっきりしていますが、これは以前に描いた別の落描きを改めてリファインしたので比較的すっきりしているんです。 普段はもうちょっと汚いです(笑)。


2.ペン入れ・スキャン

ペン入れ 次にペン入れをします。 ここまで紙の上でやってしまいます。 ペンはピグマやコピックマルチライナー等のミリペンでやっています。 主線を薄くしたい場所などはシャープペンのままにしておいたりします。 紙原稿として仕上げる時はこの手は使えませんけどね。

ペン入れが終ったらスキャナで取り込みます。 原稿のサイズにも依りますが、1024x768 の大きさに入るような解像度で取り込んでいます。 サイズ優先なのは着色に使うツール(乙女座256色版)が 1024x768 までしか使えないからです(笑)。


3.着色

ここから Towns での作業になります。
ここにあるトリミング画像は実物大です。

減色した原画

3-1.主線減色

着色は「乙女座」というグラフィックツール(フリーウェア)の256色版を使用するのでスキャンしたフルカラーの原画を減色します。 減色には「ICV」という画像変換ソフト(フリーウェア)を使用。 256色以内に減色すればいいのですが、この後に行なう細線化をやり易くする為にモノクロ16色にまで減色します。

細線化後

3-2.主線細線化

取り込んだ主線は中心が濃く縁は薄くなっています。 このまま着色すると主線との境界が白っぽく浮き上がってしまうので細線化してから着色します。 乙女座自体は細線化機能はもっていませんが、乙女座プラグイン集に細線化があるのでそれを使います。 線が多少ガタつきますが、最後にスキャン直後の主線を合成するので問題無しです。

仮塗り

3-3.仮塗り

着色後の全体の雰囲気を掴むのと、細かい着色をする時のマスキングをするためにここで陰影無しで取り敢えず塗りつぶします。 塗り忘れがないようにルーペで細かい部分をチェックしながら塗ります。 細線化時のゴミもここで修正します。

陰影付け

3-4.陰影付け

必要以外の部分をマスクして陰影付けをします。 私は基本的にアニメ塗り(セル画風塗り)ですので、直線ツールでざくざく領域を割ってがんがん塗っていきます。 肌、髪、服共に3〜5段階で陰影をつけていきます。 細線化で主線が途切れ過ぎてしまっているとここで泣きます(笑)。

塗り仕上げ

3-5.塗り仕上げ

細かい部分を塗って着色を仕上げます。 ハイライトもここで入れています。 今回はここで服の色を変えました。 いや、濁流茶房のCG集('97夏版)に描いた「ながみみ汎用ちゃん」とカラーリングがほとんど同じだったので(笑)。 ジャギはフルカラーに変換してから縮小すれば余り気にならないので消してません(^^;;

輪郭色変え

3-6.輪郭色変え

細線化した主線は着色中は黒にしていますがこのまま主線と合成すると少し浮き出してしまうのでこの細線の色を周辺に合わせて変更します。 今回の例では服の輪郭は緑寄り、髪の輪郭は暗い黄色寄りといった感じです。 場合によってはやらない時もありますが。

着色終了 着色が終った直後はこんな感じです。


4.主線加工

主線加工 着色した画像とスキャン直後の主線を合成する前に主線にちょっとした加工を行なう場合があります。 大抵はスキャン時のゴミを消したりするだけですが、今回のように着色時に輪郭の色を変えたりした場合はそれに合わせて主線の色も少し変更させます。

この主線加工は「Artemis」というグラフィックツール(フリーウェア)を使用します。 これは32K色が扱え、画像サイズはメモリの許す限り広げられるのでスキャン画像全体を修正する時に使っています。 アニメ塗りにはちょっと使い勝手が悪いので着色には使っていませんが、ちょっとしたエフェクトを加える時には使うかな。


5.合成

合成 ここで主線と着色画像を合成します。 それぞれの画像をICVで32K色に変換してから「IMGSYNTH」という画像合成ツール(フリーウェア)で積算合成をします。 合成後の状態を見て主線が薄いようなら主線をもう一度重ねたりもします。

このサンプルではここで主線合成をしましたが、背景がある場合は着色画像と背景を合成させた後で最後に主線を合成するようにしています。 また、合成後に画像全体にエフェクトをかける場合もあります。 ぼかしとかね。

合成(拡大) 実物大だとこんな感じです。


6.完成

合成後は縮小をしたり文字を入れたりして完成です。 今回のサンプルはキャラの部分だけを取り上げたので合成まででおしまいです(^^;;
実際のバナーはこの後背景の合成、文字の合成、縮小をしています。


…とまあ、こんな感じで描いています。
レイヤもないし、あっちのソフト立ち上げたりこっちのソフト立ち上げたり、結構めんどくさいんだけどね(^^;;


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